新生児に高用量のクロラムフェニコールを投与したところ、腹部の膨満、嘔吐、皮膚が灰…
新生児に高用量のクロラムフェニコールを投与したところ、腹部の膨満、嘔吐、皮膚が灰色になる循環不全が起こった。新生児でこのような中毒が起こりやすい理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 新生児ではシトクロムP450の活性が成人より高く、毒性の強い酸化代謝物が大量にできるため。新生児のシトクロムP450の活性は成人より低く、酸化代謝物が大量にできることが原因ではありません。
- ⑵ 新生児では肝臓のグルクロン酸転移酵素の活性が低く、薬物が抱合されずに体内に蓄積するため。グルクロン酸抱合の能力が未熟なため、未変化体が蓄積してグレイ症候群を起こします。
- ⑶ 新生児では糸球体ろ過速度が成人より大きく、腎臓の尿細管に薬物が集まるため。新生児の糸球体ろ過速度は成人より小さく、腎排泄の能力も未熟です。
- ⑷ 新生児ではN-アセチル転移酵素の活性が高く、毒性をもつアセチル化体が蓄積するため。クロラムフェニコールの主な不活性化はグルクロン酸抱合で、アセチル化体の蓄積が原因ではありません。
- ⑸ 新生児では血漿アルブミンの濃度が高く、遊離形の割合が下がって腎排泄が遅れるため。新生児のアルブミン濃度はむしろ低めで、遊離形の割合は高くなりやすい傾向があります。
解説
正解は⑵です。クロラムフェニコールは主に肝臓でグルクロン酸抱合を受けて不活性化されます。新生児、とくに早産児ではグルクロン酸転移酵素の活性が低く、腎臓からの排泄能力も未熟なため、未変化体が体内に蓄積してグレイ症候群と呼ばれる循環不全を起こします。新生児の薬物代謝酵素の多くは成人より活性が低く、成長とともに成熟していくことを踏まえて投与量を決める必要があります。
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