1日20本の喫煙を30年続けている男性に肺がんが見つかった。たばこの煙に含まれる…
1日20本の喫煙を30年続けている男性に肺がんが見つかった。たばこの煙に含まれる多環芳香族炭化水素のように、体内の反応で活性化されて毒性を示す物質がある。異物の代謝的活性化に関する記述として、正しいのはどれか。
- ⑴ ベンゾピレンは、酸化を受けてジオールエポキシドとなり、DNAの塩基と共有結合する。ベンゾピレンは酸化とエポキシド加水分解酵素による段階を経て求電子性の高いジオールエポキシドとなり、DNAを修飾します。
- ⑵ ジメチルニトロソアミンは、加水分解でメチル基が外れて無毒化され、そのまま尿中へ排泄される。ジメチルニトロソアミンはシトクロムP450による酸化でメチルジアゾニウムイオンを生じ、DNAをメチル化します。
- ⑶ アセトアミノフェンを大量に服用すると、グルクロン酸抱合体が肝臓に蓄積してDNAを直接傷つける。過量時に問題となるのはシトクロムP450で生じるキノンイミン体で、グルタチオンが枯渇すると肝細胞のたんぱく質と結合します。
- ⑷ アフラトキシンB1は、グルタチオン抱合を受けてエポキシドとなり、強い発がん性を示す。アフラトキシンB1はシトクロムP450でエポキシドに活性化され、グルタチオン抱合はそれを解毒する反応です。
- ⑸ 塩化ビニルは、還元反応で生じたカルボアニオンが求核剤としてDNAの塩基を攻撃する。塩化ビニルはシトクロムP450で酸化されてエポキシドとなり、求電子剤としてDNAと反応します。
解説
正解は⑴です。多環芳香族炭化水素のベンゾピレンは、シトクロムP450による酸化とエポキシド加水分解酵素による加水分解を経てジオールエポキシドとなり、DNAの塩基と共有結合して発がんにつながります。アフラトキシンB1や塩化ビニルもシトクロムP450でエポキシドに活性化され、ジメチルニトロソアミンはメチルジアゾニウムイオンを生じます。アセトアミノフェンの毒性はキノンイミン体によるもので、グルタチオン抱合が解毒に働きます。
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