エステル結合をもつ医薬品を水溶液の製剤にするため、加水分解の速さがpHによってど…
エステル結合をもつ医薬品を水溶液の製剤にするため、加水分解の速さがpHによってどう変わるかを調べた。加水分解の速さと溶液の条件の関係に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 緩衝液の成分は反応に関わらないので、緩衝液の種類や濃度を変えても分解の速さは同じに保たれる。緩衝液の成分が一般酸塩基触媒として働き、種類や濃度によって分解の速さが変わることがあります。
- ⑵ 水酸化物イオンによる分解では、pHが1上がるごとに速度定数が10分の1ずつ小さくなっていく。水酸化物イオンの濃度はpHが1上がるごとに10倍になるため、速度定数は大きくなります。
- ⑶ 冷所に保存すると分子の運動が活発になるため、分解の速さは室温で保存したときより大きくなる。温度を下げると分子の運動は穏やかになり、多くの場合分解は遅くなります。
- ⑷ 水素イオンや水酸化物イオンが触媒として働くため、酸性側でも塩基性側でも分解が速くなりやすい。特殊酸塩基触媒により、極端なpHほど加水分解の速度定数が大きくなります。
- ⑸ 分解が最も遅くなるpHの付近に溶液を調整すれば、液剤としての安定性を高めることができる。pHと分解の速さの関係を調べ、最も安定なpHを選ぶことが液剤の設計の基本です。
解説
正解は⑷と⑸です。エステルの加水分解は、水素イオンや水酸化物イオンが触媒として働く特殊酸塩基触媒を受けるため、酸性側でも塩基性側でも速くなり、pHと速度定数の関係はV字やU字の形になることが多くなります。そのため、分解が最も遅いpHの付近に調整すると安定性を高められます。緩衝液の成分が一般酸塩基触媒として分解を速めることもあるため、種類と濃度の選び方にも注意します。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。