2型糖尿病でメトホルミンを服用している70歳の男性が、別の医療機関で胃の症状に対…
2型糖尿病でメトホルミンを服用している70歳の男性が、別の医療機関で胃の症状に対してシメチジンを処方された。この併用でメトホルミンの血中濃度が上がるおそれがある理由として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ メトホルミンが肝臓のCYP3A4で代謝される過程を、シメチジンが強く阻害して代謝を遅らせるため。メトホルミンはほとんど代謝を受けずに未変化体のまま尿中へ排泄されます。
- ⑵ メトホルミンが腎臓の尿細管で有機カチオン輸送体を介して分泌される過程を、シメチジンが妨げるため。メトホルミンは代謝されずに尿細管分泌で排泄され、シメチジンはその輸送体を阻害します。
- ⑶ シメチジンが糸球体の輸入細動脈を収縮させ、メトホルミンがろ過される量が減るため。輸入細動脈を収縮させて糸球体ろ過を減らすのは非ステロイド性抗炎症薬などで知られる作用です。
- ⑷ シメチジンが胃酸を減らして胃のpHを上げ、メトホルミンの溶解と吸収が速まって量が増えるため。この併用の問題は排泄の低下で、胃のpHの変化による吸収の増加ではありません。
- ⑸ シメチジンが血漿アルブミンからメトホルミンを追い出し、作用する非結合形の量が増えるため。メトホルミンは血漿たんぱく質とほとんど結合しないため、置換は問題になりません。
解説
正解は⑵です。メトホルミンは体内でほとんど代謝されず、未変化体のまま腎臓から排泄されます。その排泄には糸球体ろ過に加えて、近位尿細管の有機カチオン輸送体を介した分泌が大きく関わっています。シメチジンは陽イオンの性質をもつ薬で、これらの輸送体を阻害するため、併用するとメトホルミンの腎クリアランスが下がって血中濃度が上がるおそれがあります。高齢者では腎機能の低下も重なるため注意が必要です。
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