冠動脈にステントを留置した62歳の男性に、ステント内の血栓を防ぐためクロピドグレ…
冠動脈にステントを留置した62歳の男性に、ステント内の血栓を防ぐためクロピドグレルが処方された。この薬が血小板の凝集を抑えるしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 肝臓で代謝されて活性体となり、血小板のADP受容体を不可逆的に遮断して凝集を抑える。クロピドグレルはプロドラッグで、活性体が血小板の寿命の間ADP受容体を遮断し続けます。
- ⑵ 血小板のシクロオキシゲナーゼをアセチル化し、トロンボキサンA2の生成を抑えて凝集を抑える。シクロオキシゲナーゼのアセチル化はアスピリンの作用です。
- ⑶ 血小板のホスホジエステラーゼⅢを阻害し、cAMPを増やすことで凝集を抑える。ホスホジエステラーゼⅢの阻害はシロスタゾールの作用です。
- ⑷ 凝固因子のトロンビンに直接結合し、フィブリノゲンからフィブリンへの変換を抑える。トロンビンを直接阻害するのはダビガトランなどの抗凝固薬で、血小板に作用する薬ではありません。
- ⑸ 血小板の膜の糖たんぱく質に結合し、フィブリノゲンとの結合を可逆的に妨げて凝集を抑える。糖たんぱく質への結合を妨げる注射薬の作用で、クロピドグレルの機序とは異なります。
解説
正解は⑴です。クロピドグレルはそれ自体には活性のないプロドラッグで、肝臓のシトクロムP450によって活性体に変わります。活性体は血小板のADP受容体と共有結合して不可逆的に遮断し、ADPによる血小板の活性化と凝集を抑えます。作用はその血小板が寿命を終えるまで続きます。活性化に関わる酵素の遺伝子多型によって効果に個人差が出ることがあり、アスピリンとの併用では出血に注意します。
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