慢性腎臓病で血液透析を受けている66歳の女性が腎性貧血と診断され、エリスロポエチ…
慢性腎臓病で血液透析を受けている66歳の女性が腎性貧血と診断され、エリスロポエチン製剤の注射を受けることになった。この薬が貧血を改善するしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 葉酸の代謝を助けてDNAの合成を進め、大きく未熟な赤血球を正常な大きさに戻す。葉酸やビタミンB12の補充は巨赤芽球性貧血の治療で、腎性貧血の原因とは異なります。
- ⑵ 脾臓での赤血球の破壊を抑えることで寿命を延ばし、血液中の赤血球の数を保つ。エリスロポエチンは赤血球の産生を促すもので、破壊を抑える働きではありません。
- ⑶ 骨髄の好中球の前駆細胞に作用し、その増殖を促すことで感染への抵抗力を高める。好中球を増やすのは顆粒球コロニー刺激因子の作用です。
- ⑷ 腸管からの鉄の吸収を高め、ヘモグロビンの合成に使われる鉄を補うことで赤血球を増やす。鉄の補給は鉄剤の役割で、エリスロポエチン製剤は造血の前駆細胞に作用します。
- ⑸ 骨髄の赤芽球系前駆細胞の受容体に結合し、その増殖と分化を促して赤血球を増やす。腎性貧血は腎臓でのエリスロポエチンの産生低下が原因のため、これを補うことで赤血球が増えます。
解説
正解は⑸です。エリスロポエチンは主に腎臓でつくられるホルモンで、骨髄の赤芽球系の前駆細胞にある受容体に結合して、その増殖と分化を促し、赤血球の産生を増やします。慢性腎臓病では腎臓でのエリスロポエチンの産生が減るため貧血が起こり、これを製剤で補うことで改善します。治療中は鉄が不足しやすいため鉄の状態も確認し、ヘモグロビンが上がりすぎると血圧の上昇や血栓のおそれがあるため注意します。
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