労作性狭心症の68歳の男性が、坂道を上っている途中に胸の締めつけを感じ、ニトログ…
労作性狭心症の68歳の男性が、坂道を上っている途中に胸の締めつけを感じ、ニトログリセリンの舌下錠を口に含んだところ数分で治まった。ニトログリセリンが発作を抑えるしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 心臓のβ1受容体を遮断し、心拍数と収縮力を抑えることで心筋の酸素の消費を減らす。β1受容体の遮断はβ遮断薬の作用で、ニトログリセリンの機序とは異なります。
- ⑵ 血管平滑筋のL型カルシウムチャネルを遮断し、冠動脈のれん縮を防いで血流を保つ。カルシウムチャネルの遮断はカルシウム拮抗薬の作用です。
- ⑶ 一酸化窒素を遊離してグアニル酸シクラーゼを活性化し、主に静脈を拡張させて前負荷を下げる。静脈の拡張で心臓に戻る血液が減り、前負荷が下がって心筋の酸素の消費が減ります。
- ⑷ アンジオテンシン変換酵素を阻害し、アンジオテンシンⅡの生成を抑えて末梢の血管を広げる。変換酵素の阻害は降圧薬の作用で、数分で発作を抑える働きではありません。
- ⑸ ホスホジエステラーゼ5を阻害し、cGMPの分解を抑えて陰茎や肺の血管を拡張させる。これはシルデナフィルなどの作用で、硝酸薬と併用すると血圧が大きく下がるおそれがあります。
解説
正解は⑶です。ニトログリセリンは体内で一酸化窒素を遊離し、血管平滑筋の可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化してcGMPを増やし、平滑筋を弛緩させます。低い用量では主に静脈が拡張し、心臓に戻る血液が減って前負荷が下がるため、心筋の酸素の消費が減ります。冠動脈も拡張させます。舌下では口の粘膜から吸収され、肝臓での初回通過効果を受けずに速やかに作用します。
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