ウイルスに感染した細胞は、細胞傷害性T細胞によって認識されて排除される。この認識…
ウイルスに感染した細胞は、細胞傷害性T細胞によって認識されて排除される。この認識のしくみとして、正しいのはどれか。
- ⑴ 補体の第一成分がT細胞の受容体に結合し、感染細胞の膜に孔をあける膜侵襲複合体をつくらせる。膜侵襲複合体は補体が順に活性化してできるもので、T細胞の受容体による認識とは別のしくみです。
- ⑵ ウイルスたんぱく質の断片がMHCクラスⅡ分子に載って感染細胞の表面に提示され、CD4をもつT細胞が細胞を直接壊す。クラスⅡ分子は主に抗原提示細胞がもち、CD4陽性のヘルパーT細胞に抗原を示すものです。
- ⑶ T細胞の受容体がMHC分子を介さずに、ウイルス粒子の表面の立体構造を直接認識して結合する。抗原の立体構造を直接認識するのはB細胞の受容体や抗体で、T細胞はMHC分子に載った断片を認識します。
- ⑷ 感染細胞内でできたウイルスたんぱく質の断片がMHCクラスⅠ分子で提示され、CD8陽性T細胞が認識する。細胞内でつくられた抗原はクラスⅠ分子で提示され、CD8陽性の細胞傷害性T細胞が認識して感染細胞を壊します。
- ⑸ 感染細胞の表面に結合したIgE抗体を、T細胞がFc受容体で認識して細胞の中の顆粒を放出させる。IgEとFc受容体の結合で脱顆粒を起こすのは肥満細胞で、細胞傷害性T細胞の認識の方法とは異なります。
解説
正解は⑷です。ウイルスに感染した細胞では、細胞内でつくられたウイルスのたんぱく質がプロテアソームで断片にされ、小胞体でMHCクラスⅠ分子に結合して細胞表面に提示されます。CD8をもつ細胞傷害性T細胞は、T細胞受容体でこの複合体を認識し、パーフォリンやグランザイムを放出して感染細胞を排除します。MHCクラスⅠ分子はほぼすべての有核細胞がもっています。
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