腸溶錠を処方された患者から、錠剤が大きいので噛み砕いて服用したいと相談された。腸…
腸溶錠を処方された患者から、錠剤が大きいので噛み砕いて服用したいと相談された。腸溶性製剤の設計の説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ 胃の中で浮かせて長くとどまらせ、上部の小腸での吸収時間を延ばすように設計されている。胃内に長く滞留させるのは胃内滞留型の製剤で、腸溶性製剤とは異なります。
- ⑵ 舌の下で溶かして口腔粘膜から吸収させ、肝臓での初回通過効果を避けるように設計されている。口腔粘膜から吸収させるのは舌下錠の設計です。
- ⑶ 胃の酸性条件では溶けず、腸のpHで溶ける皮膜で覆い、胃での分解や胃粘膜への刺激を防いでいる。腸溶性の皮膜は胃では溶けず腸で溶けるため、噛み砕くと胃で薬物が放出されてしまいます。
- ⑷ 消化管の中で一定の速度で薬物を放出させ、血中濃度を長時間保つように設計されている。一定速度での放出は徐放性製剤の設計で、腸溶性製剤の目的とは異なります。
- ⑸ 口の中で速やかに崩壊させ、水がなくても服用しやすいように設計されている。口の中で崩壊させるのは口腔内崩壊錠で、腸溶錠の設計ではありません。
解説
正解は⑶です。腸溶性製剤は、胃の酸性条件では溶けず、腸のpH付近で溶ける高分子の皮膜で覆った製剤です。胃酸で分解されやすい薬物を守る目的や、胃粘膜への刺激を避ける目的で用いられます。噛み砕いたり粉砕したりすると皮膜が壊れ、胃で薬物が放出されて効果が落ちたり、胃の障害が起こったりするおそれがあります。そのため大きくて飲みにくい場合は、噛み砕かずに別の剤形への変更を医師に相談するよう説明します。
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