病棟の医師から、ある注射薬の血中濃度を測定し、結果に基づいて投与量を調節したいと…
病棟の医師から、ある注射薬の血中濃度を測定し、結果に基づいて投与量を調節したいと相談された。一般に、血中濃度モニタリング(TDM)による投与設計の意義が大きい薬物の特徴として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 効果を検査値で直接評価でき、その値で投与量を調節できる。効果を直接示す指標があれば、それを用いて調節する方が適しています。
- ⑵ 受容体と不可逆的に結合して作用し、血中からは速やかに消える。作用が血中濃度の推移と対応しないため、TDMによる調節には向きません。
- ⑶ 血中濃度と効果の関係がはっきりせず、効果を症状で判断している。血中濃度と効果が対応しない薬物では、濃度を測っても投与量の調節に役立ちません。
- ⑷ 有効な血中濃度の範囲が狭く、患者による体内動態の違いが大きい。治療域が狭く個人差が大きい薬物ほど、血中濃度を測って投与量を個別に調節する意義が大きくなります。
- ⑸ 体内で代謝を受けず、腎機能によらず一定の速さで排泄される。体内動態の個人差が小さい薬物では、TDMの必要性は小さくなります。
解説
正解は⑷です。TDMは、血中濃度を測定して患者ごとに投与量を調節する方法です。その意義が大きいのは、有効域と中毒域が近く治療域が狭い薬物、吸収や代謝、排泄の個人差が大きく同じ量でも濃度がばらつく薬物、そして血中濃度と効果や副作用の間に関係がある薬物です。アミノグリコシド系抗菌薬、抗てんかん薬、ジゴキシンなどが代表例です。効果を直接示す検査値がある薬物では、その値を指標に調節します。
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