ペニシリン系抗菌薬とプロベネシドを併用すると、ペニシリンの血中濃度が高く保たれる…
ペニシリン系抗菌薬とプロベネシドを併用すると、ペニシリンの血中濃度が高く保たれる。その理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 尿がアルカリ性に傾き、遠位尿細管でのペニシリンの再吸収が増えるため。弱酸性薬物は尿がアルカリ性になるとイオン形が増えて再吸収は減ります。
- ⑵ 腎臓の近位尿細管で、有機アニオン輸送体を介したペニシリンの分泌が阻害されるため。プロベネシドは有機アニオン輸送体を阻害し、ペニシリンの尿細管分泌を減らして排泄を遅らせます。
- ⑶ 血漿アルブミンとの結合が強まり、ペニシリンが組織へ移行しにくくなるため。併用の効果は排泄の遅れによるもので、タンパク結合の増強によるものではありません。
- ⑷ 肝臓のシトクロムP450が阻害され、ペニシリンの酸化的な代謝が遅くなるため。ペニシリン系の多くは主に腎臓から未変化体で排泄され、肝代謝の阻害は主な理由ではありません。
- ⑸ 腎臓の糸球体の血管が収縮し、血液からのペニシリンのろ過量が減少するため。プロベネシドは糸球体ろ過を抑える薬ではなく、尿細管での分泌を阻害します。
解説
正解は⑵です。ペニシリン系抗菌薬は、糸球体でのろ過に加えて、近位尿細管の有機アニオン輸送体を介した能動的な分泌によって速やかに尿中へ排泄されます。プロベネシドはこの輸送体を競合的に阻害するため、ペニシリンの尿細管分泌が減り、血中濃度が高く長く保たれます。かつてはこの相互作用を利用して抗菌薬の効果を延ばしていました。同じ輸送体で分泌されるメトトレキサートなどの排泄も遅れるため、併用時には注意が必要です。
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