2型糖尿病でダパグリフロジンを服用している患者の尿検査で、尿糖が陽性であった。こ…
2型糖尿病でダパグリフロジンを服用している患者の尿検査で、尿糖が陽性であった。この薬の作用機序から説明できる結果である。ダパグリフロジンの作用機序として、正しいのはどれか。
- ⑴ 膵臓のβ細胞のスルホニル尿素受容体に結合し、カリウムチャネルを閉じてインスリン分泌を促す。スルホニル尿素受容体への結合はグリメピリドなどの作用で、尿糖を増やす機序ではありません。
- ⑵ 脂肪細胞の核内受容体を刺激し、脂肪細胞を分化させてインスリンに対する感受性を高める。核内受容体の刺激による感受性の改善はピオグリタゾンの作用です。
- ⑶ 腎臓の近位尿細管にあるSGLT2を阻害し、ブドウ糖の再吸収を抑えて尿中への排泄を増やす。SGLT2阻害薬は近位尿細管でのブドウ糖の再吸収を抑え、尿糖を増やして血糖を下げます。
- ⑷ 小腸の刷子縁にあるα-グルコシダーゼを阻害し、二糖類の分解と吸収を遅らせて食後の血糖を抑える。α-グルコシダーゼの阻害はボグリボースなどの作用です。
- ⑸ 肝臓での糖新生を抑え、AMP活性化プロテインキナーゼを介して末梢での糖の利用を高める。肝臓の糖新生の抑制はメトホルミンの主な作用で、尿中へブドウ糖を出す作用はありません。
解説
正解は⑶です。腎臓の糸球体でろ過されたブドウ糖は、その大部分が近位尿細管のナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)によって再吸収されます。ダパグリフロジンはSGLT2を阻害してブドウ糖の再吸収を抑え、尿中に排泄させることで血糖を下げます。そのため服用中は血糖値が正常でも尿糖が陽性になります。インスリンの分泌に依存しない作用のため単独では低血糖を起こしにくい一方、脱水や尿路・性器の感染症に注意が必要です。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。