関節リウマチの52歳の女性に、ヒト化モノクローナル抗体の注射による治療が始まるこ…
関節リウマチの52歳の女性に、ヒト化モノクローナル抗体の注射による治療が始まることになった。患者から「抗体はどうやって相手を見分けるのか」と質問された。抗体の分子のしくみの説明として、最も適切なのはどれか。
- ⑴ 定常部のFc領域が抗原に結合し、可変部の側が免疫細胞の受容体に結合して働く。抗原に結合するのは可変部で、Fc領域は免疫細胞の受容体や補体と結合します。役割が逆です。
- ⑵ 抗体の多様性は、1つの遺伝子から選択的スプライシングによって無数につくり出される。抗体の多様性は、B細胞が分化するときの遺伝子の断片の再編成などによって生まれます。
- ⑶ 抗体は抗原と共有結合をつくって結びつき、二度と離れない複合体になって働く。抗原と抗体の結合は水素結合などによる可逆的な結合で、共有結合ではありません。
- ⑷ 抗体は1本のポリペプチド鎖が折りたたまれたもので、分子全体の形で抗原を見分ける。抗体は2本の重鎖と2本の軽鎖からなる分子で、抗原を見分けるのは可変部の先端です。
- ⑸ 重鎖と軽鎖の可変部が組み合わさってできる部位が、抗原の特定の構造に結合する。可変部の超可変領域が抗原の決まった部分の形に合わせて結合するため、特定の相手を見分けられます。
解説
最も適切なのは、重鎖と軽鎖の可変部が組み合わさった部位が抗原の特定の構造に結合するという説明です。IgG抗体は2本の重鎖と2本の軽鎖からなるY字形の分子で、先端の可変部が抗原を認識し、根元のFc領域が免疫細胞や補体と結合します。可変部の多様性は遺伝子の再編成によって生まれます。抗体医薬品はこの特異性を利用し、炎症にかかわる分子などに選択的に結合して作用します。
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