原薬の固体の性質は、製剤の溶出性や安定性、製造のしやすさに大きく影響する。結晶多…
原薬の固体の性質は、製剤の溶出性や安定性、製造のしやすさに大きく影響する。結晶多形や非晶質、粉体の性質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 結晶多形どうしは化学組成そのものが異なるため、融点や溶解度などの性質も互いに異なる。結晶多形どうしの化学組成は同じで、違うのは結晶中の分子の並び方です。
- ⑵ 水和物の結晶は、同じ薬物の無水物より水への溶解度が大きいことが多い。水和物はすでに水と結びついて安定化しているため、水への溶解度は無水物より小さいことが多くなります。
- ⑶ 粉体の安息角が大きいほど、粒子どうしが滑りやすく、流動性がよいと判断できる。安息角が大きいほど粒子が積み重なりやすく、流動性は悪いと判断します。
- ⑷ 準安定形の結晶は安定形より溶解度が大きいが、保存中に安定形へ転移することがある。準安定形は自由エネルギーが高いため溶けやすい一方、時間とともにより安定な結晶形へ変わることがあります。
- ⑸ 非晶質の固体は、結晶より溶解速度が大きく、溶解度も見かけ上高くなることが多い。分子が規則正しく並んでいないため結晶格子のエネルギーを越える必要がなく、溶けやすくなります。
解説
正しいのは、準安定形の溶解度と転移、非晶質の溶けやすさについての記述です。同じ化学組成でも、結晶の並び方が異なる多形や、規則的な並びをもたない非晶質では、溶解度や溶解速度が変わります。溶けやすい準安定形や非晶質は吸収の改善に使われますが、保存中の転移に注意が必要です。水和物は一般に無水物より溶けにくくなります。粉体の流動性は、安息角が小さいほどよいと判断します。
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