85歳の女性。体重は40 kgで、やせて筋肉量が少ない。血清クレアチニン値は基準…
85歳の女性。体重は40 kgで、やせて筋肉量が少ない。血清クレアチニン値は基準範囲内である。高齢者で薬物の体内動態が若年成人と異なる理由として、この患者にも当てはまる正しいものはどれか。
- ⑴ 血清アルブミンが増えるので、遊離形の薬物の割合が小さくなりやすい。高齢者では血清アルブミンが減りやすく、酸性薬物の遊離形の割合が大きくなります。
- ⑵ 体脂肪の割合が減るので、脂溶性の薬物の作用が短く終わりやすい。高齢者では体脂肪の割合が増えるため、脂溶性の薬物は蓄積しやすく作用が長引きます。
- ⑶ 体内の水分の割合が増えるので、水溶性の薬物の血中濃度が下がりやすい。高齢者では体内の水分の割合が減るため、水溶性の薬物の血中濃度はむしろ上がりやすくなります。
- ⑷ 筋肉量が少ないので、血清クレアチニン値が基準内でも腎機能が低下していることがある。クレアチニンは筋肉で産生されるため、筋肉量の少ない高齢者では腎機能が低くても値が上がりにくくなります。
- ⑸ 肝血流量が増えるので、初回通過効果の大きい薬物の血中濃度が下がる。高齢者では肝血流量が減るため、初回通過効果の大きい薬物の血中濃度は上がりやすくなります。
解説
当てはまるのは、筋肉量が少ないため血清クレアチニン値が基準内でも腎機能が低下していることがあるという理由です。クレアチニンは筋肉で一定の速さでつくられるので、筋肉量が少ない人では腎機能が落ちていても値が上がりにくくなります。そのため高齢者では、年齢と体重を用いた推算式でクレアチニンクリアランスを見積もって投与量を判断します。体内水分の減少、体脂肪の増加、アルブミンや肝血流量の低下も高齢者の特徴です。
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