薬物動態に影響を与える因子のうち、高齢者において起きていると考えにくいのはどれか…
薬物動態に影響を与える因子のうち、高齢者において起きていると考えにくいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 体脂肪率の増加高齢者では筋肉量や体内水分量が減り体脂肪率が増加するため、起きていると考えられる変化です。
- ⑵ 血漿中のアルブミン濃度の低下高齢者では肝臓でのアルブミン合成が低下し、血漿アルブミン濃度が低下します。
- ⑶ 血漿中の α1-酸性糖タンパク濃度の低下α1-酸性糖タンパク質は高齢者ではむしろ増加するか不変とされ、低下は考えにくい変化です。
- ⑷ 肝血流量の減少高齢者では心拍出量の低下などにより肝血流量が減少します。
- ⑸ 糸球体ろ過量の減少高齢者では腎機能が低下し、糸球体ろ過量が減少します。
解説
正解は⑶です。α1-酸性糖タンパク質は急性期タンパク質の一つで、高齢者ではむしろ増加するか変化しないとされ、低下は考えにくい変化です。高齢者では筋肉や体内水分量が減って体脂肪率が増えるため、脂溶性薬物の分布容積が大きくなります。また肝臓でのアルブミン合成が低下して血漿アルブミン濃度が下がり、酸性薬物の非結合形分率が上がります。さらに肝血流量が減少して肝代謝の低下を招き、糸球体ろ過量も減って腎排泄型薬物の消失が遅くなる点に注意が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成