55歳の男性。数日前から皮膚と眼球結膜が黄色くなり、尿は濃い褐色に、便は灰白色に…
55歳の男性。数日前から皮膚と眼球結膜が黄色くなり、尿は濃い褐色に、便は灰白色になった。全身のかゆみも強い。これらの症候から最も考えられる病態はどれか。
- ⑴ 胆汁の流れが胆管で妨げられ、抱合型ビリルビンが血中に逆流している。抱合型ビリルビンは水溶性で尿に出て褐色尿となり、腸へ胆汁が届かないため便が白くなります。
- ⑵ かんきつ類の大量摂取でカロテンが皮膚に沈着し、皮膚が黄色く見えている。カロテンの沈着では眼球結膜は黄色くならず、尿や便の色も変わりません。
- ⑶ 赤血球が大量に壊れ、非抱合型ビリルビンが肝臓の処理能力を超えて増えている。溶血性の黄疸では非抱合型が増え、尿中にビリルビンは出ず、便の色も濃くなります。
- ⑷ 肝臓でのグルクロン酸抱合の働きが体質的に弱く、軽い黄疸が続いている。体質性の抱合能の低下では非抱合型が軽く増えるだけで、灰白色便や強いかゆみは起こりません。
- ⑸ 出生後の肝臓が未熟なため、一時的に非抱合型ビリルビンが上昇している。これは新生児の生理的黄疸の説明で、成人の患者には当てはまりません。
解説
最も考えられるのは、胆管で胆汁の流れが妨げられて抱合型ビリルビンが血中に逆流する閉塞性黄疸です。肝臓で抱合されたビリルビンは水溶性で、血中に増えると尿に出て尿が褐色になります。胆汁が腸に届かないため便は灰白色になり、胆汁酸が皮膚にたまって強いかゆみを生じます。溶血では非抱合型が増えて尿にビリルビンが出ないなど、所見の組み合わせで黄疸の型を見分けることが大切です。
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