胃がんで胃を全摘した患者が、数年後に巨赤芽球性貧血を発症した。ビタミンB12製剤…
胃がんで胃を全摘した患者が、数年後に巨赤芽球性貧血を発症した。ビタミンB12製剤による治療では、経口剤ではなく筋肉内注射が選ばれることが多い。その理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ ビタミンB12は胃酸で速やかに分解され、経口では有効な量が残らないため。胃を全摘した患者ではむしろ胃酸がありません。吸収できない理由は分解ではありません。
- ⑵ ビタミンB12は脂溶性で、胆汁酸がないと小腸から吸収されないため。ビタミンB12は水溶性ビタミンで、胆汁酸による吸収の仕組みには依存しません。
- ⑶ 胃の壁細胞から分泌される内因子が無く、回腸で十分に吸収されないため。ビタミンB12は内因子と結合して回腸末端から吸収されるため、内因子が無いと経口での吸収が大きく落ちます。
- ⑷ 肝臓での初回通過効果が大きく、経口では全身循環へ届かないため。ビタミンB12の経口での効果の低さは、肝臓での代謝ではなく腸からの吸収の問題です。
- ⑸ 小腸で葉酸と吸収の担体を奪い合い、経口では取り込みが妨げられるため。ビタミンB12と葉酸は吸収の仕組みが異なり、担体を奪い合う関係にはありません。
解説
最も適切なのは、胃の壁細胞から出る内因子が無く、回腸で十分に吸収されないためという理由です。食物中のビタミンB12は、胃の壁細胞が分泌する内因子と結合して、回腸末端の受容体を介して吸収されます。胃を全摘すると内因子が失われ、体内の貯蔵が数年で尽きて巨赤芽球性貧血を起こします。そのため吸収の過程を経ない筋肉内注射で補うのが確実な方法です。
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