2 歳3 か月の男児。生後6 か月ころからの眼位異常を主訴に来院した。初診時、左…
2 歳3 か月の男児。生後6 か月ころからの眼位異常を主訴に来院した。初診時、左への頭部傾斜があり、頭位を正すと左眼固視で右眼の外上転がみられた。両眼とも中心固視良好で、前眼部、中間透光体および眼底には異常はなかった。経過観察後、頭部傾斜の改善目的で4 歳11 か月時に手術を予定した。術前検査時の9 方向むき眼位(別冊No. 13A)と頭部傾斜試験の写真(別冊No. 13B)を別に示す。この患児に対する術式として適切でないのはどれか。
- ⑴ 右原田-伊藤法回旋複視を自覚する後天例に用いる術式で、先天性の小児には通常適しません。
- ⑵ 右外直筋後転術外斜偏位を伴う場合に水平偏位を矯正する術式として用いられます。
- ⑶ 右下斜筋減弱術過動した右下斜筋を弱める、上斜筋麻痺の代表的な術式です。
- ⑷ 右上直筋後転術拘縮した右上直筋を後転して上斜視を減らす術式です。
- ⑸ 左下直筋後転術右上斜筋のともむき筋である左下直筋を後転して偏位を減らす術式です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。生後6か月ころからの左への頭部傾斜と、右眼の外上転(上斜視)から、右先天上斜筋麻痺が考えられます。手術は偏位の大きい注視方向に合わせて選び、右下斜筋減弱術、右上直筋後転術、ともむき筋である左下直筋の後転術、水平偏位があれば右外直筋後転術などが行われます。原田-伊藤法は上斜筋腱前部を移動して内方回旋を強め、外方回旋による自覚的な回旋複視を治す術式で、回旋複視を自覚しない先天性の小児には通常適しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-10.html)を加工して作成