38 歳の女性。2 週間前の交通事故による頭部外傷後、床が歪んで見えるようになり…
38 歳の女性。2 週間前の交通事故による頭部外傷後、床が歪んで見えるようになり、歩きづらさを訴えて来院した。視力は右1.0(矯正不能)、左1.0(矯正不能)、眼位検査で遠見・近見ともに6 Δ内斜位であった。今後行う検査で必要ないのはどれか。
- ⑴ 眼底検査眼底写真で黄斑と乳頭の位置関係から他覚的な回旋偏位を評価できます。
- ⑵ 眼軸長測定眼軸長は屈折の評価に用いるもので、外傷後の回旋偏位の評価には不要です。
- ⑶ Hess 赤緑試験滑車神経麻痺などの眼球運動障害の評価に必要です。
- ⑷ 大型弱視鏡検査大型弱視鏡で回旋偏位や上下偏位を測定できます。
- ⑸ Cyclophorometer 検査自覚的な回旋偏位の測定に用いる検査で必要です。
解説
正解は⑵です。頭部外傷後に床が傾いて(歪んで)見えるという訴えは、回旋偏位による見え方の変化を示唆し、外傷で障害されやすい滑車神経の麻痺(特に両側性)が考えられます。回旋偏位の評価には、眼底写真で黄斑と乳頭の位置関係を見る眼底検査、Cyclophorometerによる自覚的な回旋偏位の測定、大型弱視鏡での回旋偏位の測定が有用で、眼球運動障害の評価にはHess赤緑試験を行います。眼軸長測定は屈折の評価に用いる検査で、本例の評価には必要ありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-10.html)を加工して作成