5 歳4 か月の男児。生後早期からの眼振と視力不良を主訴に来院した。遠見での視力…
5 歳4 か月の男児。生後早期からの眼振と視力不良を主訴に来院した。遠見での視力は右0.4(矯正不能)、左0.5(矯正不能)および両眼視力0.5(矯正不能)で、近見での両眼視力は1.0(矯正不能)である。前眼部、中間透光体および眼底に異常はなく、眼振の状態は片眼ずつの遮閉で変化はみられない。正面視、右方視および左方視の電気眼振図〈ENG〉(別冊No. 11)を別に示す。この患児で正しいのはどれか。
- ⑴ 潜伏眼振がみられる。片眼遮閉で眼振が変化しないため、潜伏眼振ではありません。
- ⑵ 左への顔回しがみられる。ENGから明らかな静止位は読み取れず、左への顔回しは本例の特徴とはいえません。
- ⑶ 正面視で眼振はみられない。生後早期からの眼振で、正面視でも眼振がみられます。
- ⑷ 輻湊により眼振が減弱する。近見の両眼視力が遠見より良好で、輻湊により眼振が抑制されていると考えられます。
- ⑸ 左方視での両眼視力は1.0 である。左方視で視力が改善するという根拠は示されていません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。生後早期からの眼振で、前眼部・中間透光体・眼底に異常がなく、片眼遮閉でも眼振が変化しないことから、潜伏眼振ではなく先天眼振(乳児眼振)が考えられます。遠見の両眼視力0.5に比べ、近見の両眼視力が1.0と良好なのは、輻湊によって眼振が抑制されるためで、先天眼振の特徴の一つです。図は確認できませんが、正面視でも眼振が記録されると考えられます。輻湊による眼振の減弱は、基底外方プリズムを用いた治療にも応用されます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-10.html)を加工して作成