8歳の男児。幼少時から頭位異常がみられ、最近、学校健診で視力不良を指摘され受診し…
8歳の男児。幼少時から頭位異常がみられ、最近、学校健診で視力不良を指摘され受診した。調節麻痺薬点眼後の視力は右0.2(1.2×-1.75D)、左0.3(1.2×-2.00D)。両眼とも前眼部、中間透光体および眼底に異常を認めない。眼位は正位、眼球運動制限はなかった。右への顔回しと右方視で振幅が増大する眼振がみられた。この患児で正しいのはどれか。
- ⑴ 頭部MRI を行う。眼底などに異常のない乳児期からの先天眼振が考えられ、頭部MRIの必要性は低いです。
- ⑵ 近視の矯正は不要である。両眼に約2Dの近視があり、視力向上のため矯正が必要です。
- ⑶ Knapp 法の手術が適応となる。Knapp法は上転障害に対する手術で、眼振の静止位を移すにはAnderson法などを行います。
- ⑷ 教室の席は黒板に向かって左側が良い。静止位が左方視のため、黒板が左に見える右側の席の方が適しています。
- ⑸ 右基底外方と左基底内方のプリズム装用で頭位異常が軽減する。頂点が左に向くプリズムで像が左へずれ、正面視のまま静止位を使えるため頭位異常が軽減します。
解説
正解は⑸です。右へ顔を回すのは、眼を左方視の位置に置くと眼振が弱くなる(静止位が左方)ためで、右方視で振幅が増える所見と一致します。プリズムは像を頂点方向へずらすので、頂点を左に向けた右眼基底外方・左眼基底内方のプリズムを装用すると、正面の像が左にずれて頭を正面に保ったまま眼が静止位に向き、頭位異常が軽減します。教室では黒板が左に見える右側の席が良く、近視は矯正し、手術ならKnapp法ではなくAnderson法などを行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp220421-10.html)を加工して作成