50 歳の男性。右眼で物が歪んで色が薄く見えることを主訴に来院した。高血圧と脂質…
50 歳の男性。右眼で物が歪んで色が薄く見えることを主訴に来院した。高血圧と脂質異常症の治療を受けている。視力は右1.0(矯正不能)、左1.0(矯正不能)。前眼部と中間透光体に異常は認めない。眼底写真、蛍光眼底造影写真およびOCT(別冊No. 9)を別に示す。考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 黄斑円孔黄斑円孔はOCTで中心窩の全層欠損を示し、蛍光漏出は特徴ではありません。
- ⑵ 中心性漿液性脈絡網膜症中年男性の変視症とFAの点状漏出、OCTの漿液性網膜剝離が典型的です。
- ⑶ 糖尿病黄斑浮腫糖尿病黄斑浮腫は糖尿病網膜症に伴うもので、本例は糖尿病の既往がありません。
- ⑷ 網膜中心動脈閉塞症網膜中心動脈閉塞症は急激な高度の視力低下を起こし、本例の視力1.0に合いません。
- ⑸ 裂孔原性網膜剝離裂孔原性網膜剝離は周辺部の網膜裂孔を伴い、視野欠損が主な症状です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。中心性漿液性脈絡網膜症は30~50歳代の男性に多く、片眼の変視症や小視症、色が薄く見える症状を訴えますが、視力は比較的保たれることが多い疾患です。フルオレセイン蛍光眼底造影で色素上皮からの点状の蛍光漏出、OCTで黄斑部の漿液性網膜剝離がみられるのが典型で、ストレスやステロイドが誘因になります。黄斑円孔は全層の円孔、糖尿病黄斑浮腫は網膜の肥厚、網膜中心動脈閉塞症は急激な視力低下、裂孔原性網膜剝離は周辺部の裂孔を伴います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-10.html)を加工して作成