5歳の男児。生後早期から内斜視がみられ、生後5か月のときに自宅近くの眼科を受診し…
5歳の男児。生後早期から内斜視がみられ、生後5か月のときに自宅近くの眼科を受診した。定期的に検査を受けていたが、積極的な治療はしていなかった。母親が今後のことを聞きたいと来院した。調節麻痺薬点眼後の視力は右1.2(1.2×+1.00D)、左0.07(0.07×+1.25D)で、大型弱視鏡検査では、右眼固視での他覚的斜視角が+12°、自覚的斜視角は+10°であった。眼位写真(別冊No. 9A)及び眼底写真(別冊No. 9B)を別に示す。この患児の母親への説明で正しいのはどれか。
- ⑴ 眼鏡をかける必要があります。屈折は軽度遠視で調節性の要素は乏しく、眼鏡が必要とはいえません。
- ⑵ 将来右眼も視力が低下してきます。右眼は良好な視力を保っており、将来低下すると説明する根拠はありません。
- ⑶ 眼位が気になれば斜視手術で治します。整容面で眼位が気になる場合は、斜視手術で眼位を整えることができます。
- ⑷ 将来斜視の角度は変化することはありません。斜視角は成長や視力差により変化し得るため、変化しないとは言えません。
- ⑸ 左眼の視力は弱視訓練をすれば正常になります。5歳で0.07の深い弱視であり、訓練で必ず正常視力になるとは説明できません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。生後早期発症の内斜視(乳児内斜視)で、5歳まで積極的治療をしていない例です。屈折は+1.00~+1.25Dと軽度で、調節性の要素は乏しく眼鏡の必要性は低いと考えられます。左眼は5歳で0.07と深い弱視で、眼底所見も踏まえると、弱視訓練をしても正常視力になるとは言えません。右眼は良好で将来低下する理由はなく、斜視角は加齢や視力差で変化し得ます。整容面が気になれば斜視手術で眼位を整えると説明するのが適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-10.html)を加工して作成