82 歳の男性。2か月前から続く右眼の流涙、羞明および異物感を主訴に来院した。右…
82 歳の男性。2か月前から続く右眼の流涙、羞明および異物感を主訴に来院した。右前眼部写真(別冊No. 8)を別に示す。根治的治療として正しいのはどれか。
- ⑴ A 型ボツリヌス毒素注射ボツリヌス毒素注射は眼瞼けいれんの治療で、退行性内反の根治にはなりません。
- ⑵ 眼瞼手術眼瞼の構造的な緩みを手術で修復することが根治的治療になります。
- ⑶ 遮光眼鏡遮光眼鏡は羞明を和らげるだけで、原因の治療にはなりません。
- ⑷ 睫毛抜去睫毛抜去は再生するため一時的な処置にとどまります。
- ⑸ 人工涙液点眼人工涙液点眼は角膜を保護する対症療法で、根治治療ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。高齢者で2か月続く流涙、羞明、異物感は、加齢による眼瞼内反(退行性内反)で睫毛が角膜に接触している状態が典型的に考えられます。原因は下眼瞼の牽引筋腱膜の弛緩や水平方向の緩みなどの眼瞼の構造変化であるため、根治には眼瞼手術(牽引筋腱膜の縫着や瞼板の短縮など)が必要です。睫毛抜去や人工涙液点眼は一時的な対症療法にすぎず、遮光眼鏡やボツリヌス毒素注射は根治治療ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-10.html)を加工して作成