4歳の女児。幼稚園の健診で視力不良を指摘され来院した。屈折性弱視と診断され両眼+…
4歳の女児。幼稚園の健診で視力不良を指摘され来院した。屈折性弱視と診断され両眼+8.00D の完全矯正眼鏡を処方し作製したが、頂点間距離が18.0 mm になり、右レンズの光学中心が上方に3mm ずれていた。光学的影響はどれか。2つ選べ。
- ⑴ 網膜像が縮小する。凸レンズを眼から離すと倍率が増し、網膜像は拡大します。
- ⑵ 右眼の視線が下方に向く。公表正答では選ばれていません。本問で問われるのはプリズムの基底方向とされています。
- ⑶ 矯正効果は過矯正となる。頂点間距離が長くなると凸レンズの有効度数が強まり、過矯正になります。
- ⑷ 右レンズに基底上方のプリズム効果が生じる。光学中心より下方を通して見るため、凸レンズでは基底上方のプリズム効果が生じます。
- ⑸ 右レンズに基底外方のプリズム効果が生じる。光学中心のずれは上下方向なので、水平方向の基底外方プリズムは生じません。
解説
正解は⑶と⑷です。凸レンズは眼から離すほど角膜面での有効屈折力が強くなります。+8.00Dを通常の約12mmより6mm遠い18mmで装用すると、角膜面での度数は+8.00/(1-0.018×8)≒+9.35D(12mmでは約+8.85D)となり、過矯正になります。また、右レンズの光学中心が3mm上方にあると、視線は光学中心の下方を通り、凸レンズでは基底上方のプリズム効果(Prentice則で0.3×8=2.4Δ)が生じます。凸レンズを離すと網膜像はむしろ拡大します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-10.html)を加工して作成