38 歳の男性。3か月前に受傷した頭部交通外傷後の意識障害に対して集中治療室で治…
38 歳の男性。3か月前に受傷した頭部交通外傷後の意識障害に対して集中治療室で治療を行った。覚醒後から継続する複視の精査のため眼科紹介受診となった。受診時のHess 赤緑試験の結果(別冊No. 6)を別に示す。受傷直後から観察されないのはどれか。
- ⑴ 外斜視内直筋麻痺による外斜視は受傷直後からみられます。
- ⑵ 右眼瞼下垂上眼瞼挙筋麻痺による眼瞼下垂は受傷直後からみられます。
- ⑶ 右眼下転制限下直筋麻痺による下転制限は受傷直後からみられます。
- ⑷ 上方視時の右眼内転上方視時の内転は異常神経再生の所見で、受傷後数か月して現れます。
- ⑸ 右眼直接対光反射消失瞳孔括約筋への線維の障害で、受傷直後から直接対光反射が消失します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。Hess試験は確認できませんが、頭部外傷後の複視で、正答から右動眼神経麻痺と考えられます。動眼神経麻痺では受傷直後から外斜視、眼瞼下垂、下転制限、対光反射消失がみられます。一方、上方視時に右眼が内転する現象は、損傷した動眼神経が再生する際に、本来上直筋へ行くべき線維が内直筋へ誤って分布する異常神経再生(過誤支配)の所見で、受傷後数か月たってから出現するため、受傷直後には観察されません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-10.html)を加工して作成