6歳の女児。就学時健康診断で右眼の視力不良を指摘され来院した。視力は右0.6(0…
6歳の女児。就学時健康診断で右眼の視力不良を指摘され来院した。視力は右0.6(0.9×+1.25 D)、左1.2(矯正不能)。調節麻痺薬での完全屈折矯正下の眼位は、遠見、近見ともに顕性偏位が8Δ右眼内斜視であった。Worth4灯試験では遠見、近見ともに4灯に見えたが、そのときの眼位はわずかに右眼内斜視であった。網膜対応はどれか。
- ⑴ 正常対応正常対応なら8Δの内斜視では複視(5灯)になるか抑制が起こります。
- ⑵ 対応欠如対応欠如では融像が成立せず、4灯には見えません。
- ⑶ 調和性異常対応斜視の眼位のまま4灯に融合して見えており、自覚的斜視角がほぼ0の調和性異常対応です。
- ⑷ 二重対応二重対応は正常対応と異常対応が状況で入れ替わる状態で、本例の所見とは異なります。
- ⑸ 不調和性異常対応不調和性異常対応では自覚的斜視角が0にならず、他覚的斜視角との間の値になります。
解説
正解は⑶です。この患児は遠見・近見とも8Δの右眼内斜視があるにもかかわらず、Worth4灯試験で4灯に見えており、そのとき眼位はわずかに右眼内斜視のままでした。つまり斜視のある眼位で両眼の像が一つに融合して見えており、他覚的斜視角に対して自覚的斜視角がほぼ0の状態です。これは右眼の中心窩以外の網膜点が左眼の中心窩と対応している調和性異常対応で、微小斜視に典型的な所見です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp170425-10.html)を加工して作成