16歳の女子。本を読むと眼が疲れる。屈折は両眼とも正視である。眼位は遠見で正位、…
16歳の女子。本を読むと眼が疲れる。屈折は両眼とも正視である。眼位は遠見で正位、近見で15Δの外斜位であった。勾配法で求めたAC/A比は1 Δ/Dであった。近見で外へのずれが大きくなっている理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 左右の網膜像の大きさが大きく違い、像を一つにまとめにくくなっている。左右の屈折は同じ正視で、網膜像の大きさの差を生じる条件がありません。
- ⑵ 遠視を補うための調節が過剰に働き、それに連動して輻湊も過剰になっている。これは調節性内斜視の仕組みで、内へのずれが大きくなる方向です。屈折も正視です。
- ⑶ 調節に伴って起こる輻湊が少なく、近くを見たときの内よせが不足している。AC/A比が低いと、近くを見て調節しても輻湊が十分に生じず、近見で外へのずれが大きくなります。
- ⑷ 外眼筋の持続的な緊張が強まり、遠くを見るときにも両眼が内へ寄っている。遠見の眼位は正位なので、持続的な緊張の増加では説明できません。
- ⑸ 片眼の外転神経が麻痺して、眼を外へ向ける力が弱まっている。外転神経の麻痺では内へのずれが生じ、遠見でずれが大きくなります。
解説
最も適切なのは、調節に伴って起こる輻湊が少なく、近くを見たときの内よせが不足しているという理由です。近くを見るときは調節とともに輻湊が起こり、両眼が内へ寄ります。AC/A比は調節1 Dあたりに生じる輻湊の量で、この女子は1 Δ/Dと低いため、近見で必要な内よせが足りず、外斜位が大きくなります。これは輻湊不全型の眼位の特徴です。
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