35歳の女性。夕方になると両眼の上眼瞼が下がり、物が二重に見えることがある。医師…
35歳の女性。夕方になると両眼の上眼瞼が下がり、物が二重に見えることがある。医師が、神経筋接合部の病気を疑い、短い時間だけ働く薬を静脈から注射して、眼瞼下垂が改善するかを確かめる試験を行う。この試験に用いるエドロホニウム塩化物の作用として正しいのはどれか。
- ⑴ 筋のアセチルコリン受容体を遮断し、収縮の信号が伝わらないようにする。受容体を遮断する薬では筋力がさらに低下します。試験に用いる薬は逆に伝達を強めます。
- ⑵ 神経の終末からアセチルコリンが放出されるのを妨げ、筋の収縮を弱める。放出を妨げるのはボツリヌス毒素の作用で、斜視や眼瞼けいれんの治療に用いられます。
- ⑶ 瞳孔括約筋を弛緩させて散瞳させ、眼に入る光を増やす。瞳孔の大きさを変える作用は、この試験の目的である筋の伝達の改善とは異なります。
- ⑷ 交感神経のα受容体を刺激し、上眼瞼のミュラー筋を収縮させる。ミュラー筋を収縮させる薬は交感神経に働く薬で、神経筋接合部の病気の診断には用いません。
- ⑸ アセチルコリンを分解する酵素を妨げ、接合部のアセチルコリンを増やす。コリンエステラーゼを阻害して接合部のアセチルコリンを増やすので、受容体が減った筋でも収縮が一時的に改善します。
解説
正しいのは、アセチルコリンを分解する酵素の働きを妨げ、接合部のアセチルコリンを増やす作用です。重症筋無力症では、筋側のアセチルコリン受容体が自己抗体によって減り、神経からの信号が筋に伝わりにくくなります。エドロホニウム塩化物はコリンエステラーゼを短い時間だけ阻害するため、接合部のアセチルコリンが増えて、眼瞼下垂や眼球運動の障害が一時的に改善します。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。