64歳の男性。高血圧がある。1週間前から右眼がかすむ。右眼の矯正視力は0.4で、…
64歳の男性。高血圧がある。1週間前から右眼がかすむ。右眼の矯正視力は0.4で、眼底では、上耳側の静脈が動脈と交差する部分から先に、扇状に広がる炎のような出血がみられた。黄斑はむくんでいる。この患者について最も適切なのはどれか。
- ⑴ 右眼に起こったのと同時に、左眼にも同じ閉塞が起こっていることが多い。網膜静脈の分枝の閉塞は片眼に起こることが多く、両眼に同時に起こるのは一般的ではありません。
- ⑵ 原因は視神経乳頭の腫れで、頭蓋内圧が上がって静脈の流れが妨げられた。頭蓋内圧の上昇による乳頭の腫れは両眼に起こります。この患者は動静脈の交差部での閉塞です。
- ⑶ 出血のある網膜は上耳側なので、視野の欠けは下鼻側に生じ、視力の低下は主に黄斑のむくみによる。網膜の像は上下左右が逆になるため、上耳側の網膜の障害は下鼻側の視野に現れます。視力低下の主因は黄斑浮腫です。
- ⑷ 出血は数日で吸収されるため、視力は黄斑の状態にかかわらず自然に戻る。出血の吸収には時間がかかり、黄斑浮腫が続くと視力は戻りにくくなります。浮腫の治療が検討されます。
- ⑸ 閉塞が起きたのは動脈で、網膜全体が白く濁り、中心窩が赤い点として目立つ。これは網膜動脈の閉塞の所見です。この患者は静脈の分枝の閉塞で、出血が扇状に広がっています。
解説
最も適切なのは、出血のある網膜が上耳側なので視野の欠けは下鼻側に生じ、視力低下は主に黄斑のむくみによるという説明です。高血圧では、硬くなった動脈が交差部で静脈を圧迫し、その先の静脈が詰まる網膜静脈分枝閉塞症が起こりやすくなります。上耳側の静脈が最も多く、その領域に扇状の出血が生じます。網膜の像は上下左右が逆なので視野の欠けは下鼻側に現れ、黄斑浮腫が視力を下げます。
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