35歳の男性。最近、疲れると物が上下にずれて見えるようになり、右上斜筋の麻痺と診…
35歳の男性。最近、疲れると物が上下にずれて見えるようになり、右上斜筋の麻痺と診断された。頭部の外傷や神経の病気の既往はない。生まれつきの麻痺が、年齢とともに表に出てきたものと考えられている。生まれつきの上斜筋麻痺を示唆する所見として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 幼いころの写真でも、頭を左へ傾けた姿勢で写っている。生まれつきの右上斜筋麻痺では、幼いころから複視を避けるために頭を左へ傾ける姿勢をとっていることが多くあります。
- ⑵ 上下方向にずれた像を一つにまとめる融像の幅が、ふつうより大きい。長い年月をかけて上下のずれを補ってきたため、上下方向の融像の幅が大きくなっていることが特徴です。
- ⑶ 麻痺のある側の上眼瞼が下がり、瞳孔も大きく開いている。眼瞼下垂と散瞳は動眼神経の麻痺の所見で、上斜筋の麻痺ではみられません。
- ⑷ 数日前に急に始まり、それ以前には上下のずれは一度もなかった。急に始まった麻痺は後天のものを考えます。生まれつきの麻痺では、症状がなくても以前から頭位の異常などがみられます。
- ⑸ 頭を右へ傾けたときよりも、左へ傾けたときの方が上下のずれが大きい。右上斜筋の麻痺では、頭を麻痺側の右へ傾けたときに上下のずれが大きくなります。
解説
正しいのは、幼いころの写真でも頭を左へ傾けていることと、上下方向の融像の幅がふつうより大きいことです。生まれつきの上斜筋麻痺は、子どものころは頭位の工夫と融像で補われ、大人になってから疲れたときなどに複視として気付かれることがあります。長年補ってきたため上下の融像の幅が広く、昔の写真の頭の傾きが診断の手がかりになります。麻痺側へ頭を傾けるとずれが大きくなります。
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