68歳の女性。右眼の白内障手術で眼内レンズを入れることができず、右眼は無水晶体眼…
68歳の女性。右眼の白内障手術で眼内レンズを入れることができず、右眼は無水晶体眼となった。左眼は正視である。右眼を強い凸レンズの眼鏡で矯正すると、両眼で見たときに物がずれて重なり、疲れると訴えた。原因として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 右眼の網膜対応が手術で変わり、中心窩以外の部位で物を見るようになっている。網膜対応は発達期に決まるもので、成人の白内障手術によって変わることはありません。
- ⑵ 右眼の調節が強く働き、それに伴って起こる輻湊で右眼が内へ寄っている。水晶体のない眼は調節ができないため、調節に伴う輻湊は起こりません。
- ⑶ 左眼が弱視となって抑制され、右眼の像との間で左右の像が交互に入れ替わっている。左眼は正視で、成人になってから弱視が生じることはありません。
- ⑷ 右眼の眼鏡レンズの色収差が強く、像の縁に色がついて立体視が働かなくなっている。強いレンズでは色のにじみも出ますが、物がずれて重なる主な原因は左右の像の大きさの違いです。
- ⑸ 右眼の網膜像が左眼より大きくなり、左右の像を一つに融合しにくくなっている。眼鏡で無水晶体眼を矯正すると網膜像が大きく拡大され、左右の像の大きさの差(不等像視)が融像の限界を超えます。
解説
最も考えられるのは、右眼の網膜像が左眼より大きくなり、左右の像を融合しにくくなっていることです。無水晶体眼を眼の前に離れた位置の強い凸レンズの眼鏡で矯正すると、網膜像は20〜30%ほど拡大されます。片眼だけが無水晶体眼の場合、左右の像の大きさの差(不等像視)が融像できる範囲を超え、像のずれや疲れが生じます。コンタクトレンズや眼内レンズでは拡大が小さく、この差が減ります。
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