60歳の女性。三叉神経に及ぶ脳腫瘍の手術のあと、右の角膜の知覚がほとんど失われた…
60歳の女性。三叉神経に及ぶ脳腫瘍の手術のあと、右の角膜の知覚がほとんど失われた。数週間後、右の角膜の中央に上皮の欠けた部分ができ、治療を続けてもなかなか治らない。治りにくい理由として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 三叉神経は眼輪筋を動かす神経で、障害されると瞼が閉じず角膜が乾き続けるため。眼輪筋を動かすのは顔面神経です。三叉神経は角膜や顔の感覚を伝える神経です。
- ⑵ 角膜の知覚神経は上皮の再生を支える物質を出し、瞬目や涙の反射も起こしているため。三叉神経からの知覚神経は角膜上皮を保つ物質を供給し、瞬目と涙液の反射も起こします。失われると上皮が治りにくくなります。
- ⑶ 三叉神経は上眼瞼挙筋を動かす神経で、障害されると下垂した瞼が角膜をこすり続けるため。上眼瞼挙筋を動かすのは動眼神経です。三叉神経の障害で眼瞼下垂は起こりません。
- ⑷ 三叉神経は角膜の中の血管を広げる神経で、障害されると上皮への血流がとだえるため。角膜には血管がなく、涙液や房水から栄養を受けます。血流がとだえることが原因ではありません。
- ⑸ 三叉神経は瞳孔括約筋を動かす神経で、障害されると散瞳して光で上皮が傷むため。瞳孔括約筋を動かすのは動眼神経に含まれる副交感神経です。散瞳で角膜上皮が傷むこともありません。
解説
最も適切なのは、角膜の知覚神経が上皮の再生を支える物質を出し、瞬目や涙の分泌の反射も起こしているためという理由です。角膜は三叉神経第1枝からの知覚神経が密に分布しており、この神経は上皮の維持に必要な物質を供給しています。知覚が失われると瞬目と涙の反射も減り、上皮の欠損が治りにくい神経麻痺性角膜症になります。眼輪筋は顔面神経、上眼瞼挙筋は動眼神経の支配です。
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