58歳の女性。頭蓋底の右側にできた腫瘍の精査中である。舌を前に出させると舌の先が…
58歳の女性。頭蓋底の右側にできた腫瘍の精査中である。舌を前に出させると舌の先が右へ偏り、右の舌の縁がやせている。また、右の肩をすくめる力と、顔を左へ向ける力が弱い。障害されている神経として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 外転神経(第Ⅵ脳神経):眼球を外へ向ける外直筋を支配する。外転神経は外直筋を動かす神経で、障害では眼球の外転制限が出ます。舌や肩の症状は起こりません。
- ⑵ 舌下神経(第Ⅻ脳神経):舌を動かす筋を支配する。舌下神経が障害されると、舌を出したときに働く側の筋に押されて、舌先は障害側へ偏ります。
- ⑶ 副神経(第Ⅺ脳神経):胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する。僧帽筋は肩をすくめ、右の胸鎖乳突筋は顔を左へ向けます。どちらも副神経の支配です。
- ⑷ 三叉神経第3枝:咬筋などの物をかむ筋を支配する。三叉神経第3枝は咀嚼筋を動かします。障害で偏るのは口を開けたときの下顎で、舌ではありません。
- ⑸ 顔面神経(第Ⅶ脳神経):額や口の周りの表情筋を支配する。顔面神経は表情筋を動かす神経で、舌の運動や肩をすくめる動きには関わりません。
解説
障害されているのは舌下神経と副神経です。舌下神経は舌の筋を支配し、片側が麻痺すると反対側の筋に押されて舌先が障害側へ偏り、障害側の舌はやせてきます。副神経は僧帽筋と胸鎖乳突筋を支配し、肩をすくめる動きや顔を反対側へ向ける動きが弱くなります。顔面神経は表情筋、三叉神経第3枝は咀嚼筋、外転神経は外直筋を動かす神経です。
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