55歳の男性。右の肺尖部に腫瘍が見つかった。右の上眼瞼が1〜2 mm下がり、右の…
55歳の男性。右の肺尖部に腫瘍が見つかった。右の上眼瞼が1〜2 mm下がり、右の瞳孔が左より小さい。瞳孔の左右差は明るい部屋より暗い部屋で大きくなる。障害されている神経の経路として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 眼輪筋へ向かう、顔面神経の側頭枝と頬骨枝の経路顔面神経の麻痺では瞼が閉じにくくなります。眼瞼が下がったり瞳孔が小さくなったりはしません。
- ⑵ 瞳孔散大筋とミュラー筋へ向かう、交感神経の経路瞳孔散大筋とミュラー筋が働かなくなり、縮瞳と軽い眼瞼下垂が起こります。暗所で左右差が大きくなるのも散大の障害を示します。
- ⑶ 瞳孔括約筋と毛様体筋へ向かう、副交感神経の経路副交感神経が障害されると瞳孔は散大し、明るい所で左右差が大きくなります。
- ⑷ 上眼瞼挙筋へ向かう、動眼神経の上枝の経路上眼瞼挙筋の麻痺では眼瞼が大きく下がり、瞳孔が小さくなることはありません。
- ⑸ 涙腺へ向かう、顔面神経に含まれる副交感神経の経路涙腺の神経が障害されると涙が減りますが、瞳孔や眼瞼の位置は変わりません。
解説
障害されているのは、瞳孔散大筋とミュラー筋へ向かう交感神経の経路です。交感神経は胸髄から出て肺尖部の近くを上行し、頸動脈に沿って眼に届くため、肺尖部の腫瘍で障害されることがあります。散大筋が働かないため縮瞳し、暗い所で左右差が目立ちます。ミュラー筋の麻痺で起こる眼瞼下垂は1〜2 mm程度と軽く、動眼神経麻痺の高度な下垂と区別できます。
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