15歳の男子。頭痛と嘔吐が続き、松果体の腫瘍で中脳の背側が圧迫されていることが分…
15歳の男子。頭痛と嘔吐が続き、松果体の腫瘍で中脳の背側が圧迫されていることが分かった。視力は両眼とも良好である。この患者の眼球運動にみられる所見として最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 左眼が内下方を見られず、頭を右の肩へ傾けて物を見る。片眼の内下転の障害と反対側への頭部傾斜は、滑車神経の麻痺でみられる所見です。
- ⑵ 上を見ようとしても両眼がそろって上がらず、上方視が制限される。中脳背側の上丘付近には垂直注視の中枢があり、圧迫されると両眼の上方視が障害されます(パリノー症候群)。
- ⑶ 右眼が外へ向けられず、遠くを見るときに像が横に二重になる。片眼の外転障害は外転神経の麻痺で起こり、両眼の垂直方向の動きとは別の障害です。
- ⑷ 右にも左にも両眼を向けられず、水平方向の注視が失われる。水平注視の中枢は橋にあり、中脳背側の圧迫で起こる所見ではありません。
- ⑸ 右を見ると左眼が内転せず、外転した右眼に眼振が現れる。片眼の内転障害と反対眼の外転時の眼振は、橋の内側縦束が障害されたときの所見です。
解説
両眼の上方視が制限される所見が最も考えられます。中脳の背側、上丘の付近には垂直方向の注視を担う中枢があり、松果体の腫瘍などで圧迫されると上方視の障害が起こります。これをパリノー症候群と呼び、輻湊後退眼振や、光より近見で瞳孔がよく縮む所見を伴うこともあります。内側縦束や水平注視の中枢は橋にあり、外転神経や滑車神経の麻痺は片眼の障害として現れます。
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