60歳の男性。歩くときのふらつきを訴えて受診し、MRIで右小脳半球に梗塞を認めた…
60歳の男性。歩くときのふらつきを訴えて受診し、MRIで右小脳半球に梗塞を認めた。この患者にみられる所見として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 話しかけられた言葉の意味が分からず、言い間違いが多くなる。言葉の理解の障害は左側頭葉のウェルニッケ野の障害で起こる感覚性失語の所見です。
- ⑵ 左側の上下肢に筋力の低下が起こり、腱反射が亢進する。筋力低下と腱反射の亢進は錐体路の障害の所見で、小脳の障害では筋力は保たれます。
- ⑶ 安静にしている右手に、丸薬を丸めるようなふるえが出る。安静時に出る丸薬丸め様のふるえは、パーキンソン病など大脳基底核の障害でみられます。
- ⑷ 右手で指鼻試験を行うと、指先が鼻を越えたり手前で止まったりする。小脳半球の障害では同じ側の上下肢に測定障害が出て、目標までの距離を合わせられなくなります。
- ⑸ 右手を目標に近づけていくほど、手のふるえが大きくなる。目標に近づくほど強まるふるえは企図振戦で、小脳の障害の代表的な所見です。
解説
指鼻試験での測定障害と、目標に近づくほど強まる企図振戦の2つが正しいです。小脳半球は同じ側の上下肢の協調運動を調整しているため、右小脳半球の梗塞では右側に運動の距離や速さの調整の乱れが現れます。安静時のふるえは大脳基底核、筋力低下と腱反射の亢進は錐体路、言葉の理解の障害は大脳皮質の言語野の障害でみられる所見です。小脳の障害では、筋力そのものは保たれます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。