14 歳の女子。ブラッシング時の歯肉出血を主訴として来院した。2 か月前から歯肉…
14 歳の女子。ブラッシング時の歯肉出血を主訴として来院した。2 か月前から歯肉腫脹と全身倦怠感を自覚するようになり、最近ブラッシング時に出血がみられるようになったという。パノラマエックス線検査では異常所見はみられず、体温37.2℃、脈拍82/分、血圧114/68mmHg であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 32)を別に示す。血液検査の結果を表に示す。白血球数 :1,140/μL好中球 :40%好酸球 : 1%好塩基球 : 1%リンパ球 :56%単 球 : 2%赤血球数 :430 万/μLMCV :89 fL(基準値80~100 fL)MCH :28 pg(基準値27~31 pg)MCHC :31%(基準値30~35%)ヘモグロビン :13.8 g/dLヘマトクリット :42.1%血小板数 :21.7 万/μLPT :12 秒(基準値10~12 秒)APTT :29.1 秒(基準値24~39 秒)血漿フィブリノゲン :259 mg/dL(基準値200~400 mg/dL)出血時間 :3 分(基準値2 ~5 分)CRP :0.33 mg/dLAST :23 U/LALT :18 U/LALP :185 U/L(基準値80~260 U/L)LD :160 U/L(基準値120~220 U/L)抗Dsg1 抗体 :陰性(基準値 陰性)抗Dsg3 抗体 :陰性(基準値 陰性)抗BP 180 抗体 :陰性(基準値 陰性)抗BP 230 抗体 :陰性(基準値 陰性)考えられるのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 天疱瘡天疱瘡では抗Dsg1抗体や抗Dsg3抗体が陽性となりますが、本例ではいずれも陰性です。
- ⑵ Osler 病Osler病は遺伝性出血性毛細血管拡張症で、皮膚や粘膜の毛細血管拡張と鼻出血が特徴です。
- ⑶ 悪性貧血悪性貧血はビタミンB12欠乏による大球性貧血ですが、本例はヘモグロビンもMCVも正常です。
- ⑷ 類天疱瘡類天疱瘡では抗BP180抗体や抗BP230抗体が陽性となりますが、本例ではいずれも陰性です。
- ⑸ 顆粒球減少症白血球数と好中球数が著しく減少しており、歯肉の炎症や出血、倦怠感を生じています。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。白血球数が1,140/μLと著しく減少し、好中球が40%であることから、好中球数は約460/μLと高度に減少しています。赤血球系、血小板数、凝固系、出血時間は正常で、天疱瘡や類天疱瘡の自己抗体も陰性です。好中球が減少すると口腔の細菌に対する防御が低下し、歯肉の炎症や腫脹、出血、潰瘍が生じやすく、全身倦怠感や微熱も伴います。以上から顆粒球減少症が考えられます。悪性貧血は大球性貧血、Osler病は毛細血管拡張による出血が特徴です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成