80 歳の女性。歯肉からの出血を主訴として来院した。1 週前から症状を自覚してい…
80 歳の女性。歯肉からの出血を主訴として来院した。1 週前から症状を自覚しているという。現在、強い全身倦怠感を自覚し、体温は37.9℃である。初診時の口腔内写真(別冊No. 29)を別に示す。血液検査結果を表に示す。赤血球数:263 万/μL白血球数:28,000/μL血小板数:35,000/μLTP :7.7 g/dLAlb :4.3 g/dLLDH :741 IU/L(基準値120~220 IU/L)CRP :2.4 mg/dLPT :11 秒(基準値10~12 秒)APTT :33 秒(基準値24~39 秒)適切な対応はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 抗菌薬の投与抗菌薬の投与では原因である血液疾患に対応できず、まず内科での診断が必要です。
- ⑵ 口腔清掃指導口腔清掃指導は大切ですが、全身疾患が疑われる状況で優先すべき対応ではありません。
- ⑶ スケーリング血小板が著しく少ないため、スケーリングは大出血を招く危険があり避けます。
- ⑷ 止血剤の全身投与止血剤の全身投与は原因疾患の診断前に行うべきではなく、根本的な対応になりません。
- ⑸ 内科主治医への対診白血病が強く疑われるため、まず内科主治医に対診し診断と治療を依頼します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。白血球数28,000/μLの著増、赤血球数と血小板数の著しい減少、LDHの上昇、発熱、全身倦怠感、歯肉出血がみられ、凝固系(PT・APTT)は正常であることから、急性白血病が強く疑われます。白血病細胞の浸潤により歯肉の腫脹や出血を生じることがあります。歯科での処置は出血や感染を悪化させる危険があるため、まず速やかに内科主治医に対診し、血液疾患の診断と治療を優先します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成