75 歳の男性。口蓋の腫瘤が気になることを主訴として来院した。同部に骨様硬の膨隆…
75 歳の男性。口蓋の腫瘤が気になることを主訴として来院した。同部に骨様硬の膨隆を認め、粘膜は一部白色を呈していた。初診時の口腔内写真(別冊No. 9A)、CT(別冊No. 9B)及び生検のH-E 染色病理組織像(別冊No. 9C)を別に示す。口蓋粘膜と上顎骨に対する対応の組合せで正しいのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 切除 ― 経過観察粘膜の切除は適切ですが、下の口蓋隆起を残すと創の閉鎖や刺激の除去が難しくなります。
- ⑵ 切除 ― 口蓋隆起切除白色病変の粘膜を切除し、下にある口蓋隆起も併せて切除します。
- ⑶ 切除 ― 上顎部分切除上顎部分切除は悪性腫瘍の骨浸潤などに行う術式で、外骨症である口蓋隆起には過大な侵襲です。
- ⑷ 抗真菌薬の投与 ― 経過観察抗真菌薬はカンジダ症の治療で、拭っても取れない白色病変と骨様硬の膨隆には適しません。
- ⑸ 副腎皮質ステロイド軟膏塗布 ― 経過観察ステロイド軟膏は扁平苔癬などに用いますが、本例の白色病変と口蓋隆起への対応にはなりません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。写真と病理組織像は提示されていませんが、高齢者の口蓋に骨様硬の膨隆があり、粘膜の一部が白色を呈していることから、口蓋隆起の上を覆う粘膜に白板症などの病変が生じた状態が考えられます。白色病変は生検結果を踏まえて切除し、下にある口蓋隆起は外骨症で、粘膜切除後の創の閉鎖や機械的刺激の除去、義歯製作の障害を除くために切除します。悪性腫瘍の骨浸潤ではないため上顎部分切除は不要で、抗真菌薬やステロイド軟膏は本例の白色病変の治療にはなりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成