20 歳の女性。下顎左側臼歯部の腫脹を主訴として来院した。6 か月前から自覚して…
20 歳の女性。下顎左側臼歯部の腫脹を主訴として来院した。6 か月前から自覚していたが、1 か月前から徐々に増大してきたという。触診にて腫脹部は骨様硬で圧痛はない。初診時のパノラマエックス線画像(別冊No. 8A)、CT(別冊No. 8B)、MRI(別冊No. 8C)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 8D)を示す。適切な治療法はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 開窓開窓は囊胞の内圧を下げて縮小させる処置で、増大する腫瘍性病変には適しません。
- ⑵ 摘出術摘出術は境界明瞭で再発しにくい病変に行い、局所侵襲性の強い腫瘍では再発の危険が高いです。
- ⑶ 下顎辺縁切除術辺縁切除術は下顎下縁を保存できる場合の術式で、病変が下縁近くまで及ぶ場合には適しません。
- ⑷ 下顎区域切除術病変を含めて下顎骨を連続性を断って区域的に切除し、再発を防ぎます。
- ⑸ 下顎半側切除術下顎半側切除術は病変が関節突起を含む広範囲に及ぶ場合の術式で、本例では過大な侵襲です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。画像と病理組織像は提示されていませんが、若年者の下顎臼歯部に骨様硬の腫脹が緩徐に、のちに増大傾向を示していることから、局所侵襲性が強く再発しやすい腫瘍が考えられます。公表正答から、病変が下顎骨の下縁近くまで広く及び、辺縁を残すと再発の危険が高いと判断されたため、下顎骨を区域的に切除する下顎区域切除術が適切です。開窓や摘出術は囊胞や良性で境界明瞭な病変、辺縁切除術は下縁を保存できる場合、半側切除術は関節突起を含むさらに広い範囲に及ぶ場合の術式です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成