20 歳の男性。上顎左側大臼歯歯槽部の腫脹を主訴として来院した。3 か月前から徐…
20 歳の男性。上顎左側大臼歯歯槽部の腫脹を主訴として来院した。3 か月前から徐々に増大してきたという。同部に軽度の圧痛を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 24A)、エックス線画像(別冊No. 24B)、CT(別冊No. 24C)及び生検時のH-E 染色病理組織像(別冊No. 24D)を別に示す。適切な治療法はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 摘出術境界明瞭な良性病変では、摘出術が適切な治療法です。
- ⑵ 切開排膿膿瘍を示す所見はなく、切開排膿の適応ではないと考えられます。
- ⑶ 放射線治療良性病変に放射線治療は行いません。
- ⑷ 上顎洞根治術上顎洞根治術は慢性副鼻腔炎などに行う手術で、本症例の適応ではないと考えられます。
- ⑸ 上顎部分切除術上顎部分切除術は再発しやすい腫瘍や悪性腫瘍に行い、本症例では過大な侵襲です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。画像と組織像は確認できませんが、20歳と若年で、上顎大臼歯部に3か月かけて徐々に増大する腫脹を生じ、正答が摘出術であることから、境界明瞭な良性病変(含歯性嚢胞などの嚢胞や、腺腫様歯原性腫瘍、エナメル上皮線維腫などの被膜を有する良性腫瘍)が考えられます。これらは周囲の骨から剝離しやすく、摘出術で再発が少ないため摘出術が選択されます。悪性を示す所見がなければ顎骨切除や放射線治療は不要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成