85 歳の男性。口腔衛生管理を希望して入所中の特別養護老人ホームから訪問診療の依…
85 歳の男性。口腔衛生管理を希望して入所中の特別養護老人ホームから訪問診療の依頼があった。認知症、誤嚥性肺炎、高血圧症の既往があり、降圧薬を服用している。胃瘻による経腸栄養管理が行われており、4 年以上経口摂取をしていない。初診時の口腔内写真(別冊No. 6)を別に示す。まず行うのはどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 間接訓練間接訓練は有用ですが、まず口腔乾燥と付着物への対応を行い、口腔環境を整えてから行います。
- ⑵ 抗菌薬の投与明らかな急性感染の所見がない段階で抗菌薬を投与する必要はありません。
- ⑶ 口腔機能精密検査口腔機能精密検査は認知症で指示に従えない患者には実施が難しく、最初に行う処置ではありません。
- ⑷ 口腔保湿剤の塗布乾燥して固着した付着物を保湿剤で軟化させてから除去し、粘膜損傷と誤嚥を防ぎます。
- ⑸ 超音波スケーラーによる歯石除去超音波スケーラーは注水を伴うため、誤嚥性肺炎の既往がある患者では誤嚥の危険が高く、最初には行いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。写真は提示されていませんが、4年以上経口摂取をしていない胃瘻患者で降圧薬を服用しており、口腔乾燥と痰や剥離上皮の付着が強い状態が考えられます。乾燥した付着物を無理に除去すると粘膜を傷つけ、剥がれた汚染物を誤嚥する危険もあるため、まず口腔保湿剤を塗布して付着物を軟化させ、その後に清掃を行います。間接訓練や口腔機能精密検査は口腔環境を整えた後、抗菌薬は感染所見がない段階では不要で、超音波スケーラーは誤嚥の危険が高いです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成