87 歳の女性。咀嚼時の疼痛を主訴として歯科訪問診療の依頼を受けた。使用中の義歯…
87 歳の女性。咀嚼時の疼痛を主訴として歯科訪問診療の依頼を受けた。使用中の義歯は5 年前に製作し、何度か義歯修理を受け良好に経過していたが、1 か月前から下顎右側小臼歯部に疼痛を感じるようになったという。1 年前から脳梗塞の後遺症のために高齢者施設に入所している。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)、上下顎義歯の写真(別冊No. 19B)及び咬合接触検査結果の写真(別冊No. 19C)を別に示す。初診時に行うのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ リライン粘膜に傷害がある状態でリラインを行うと、変形した粘膜を記録してしまいます。
- ⑵ 概形印象採得概形印象採得は新製のための操作で、疼痛への初期対応ではありません。
- ⑶ 床外形の修正疼痛の原因となる床外形を修正し、粘膜への圧迫を除去します。
- ⑷ ポストダムの付与ポストダムは上顎義歯後縁の封鎖のためのもので、下顎の疼痛には関係しません。
- ⑸ ティッシュコンディショニングティッシュコンディショニングで粘膜の傷害の回復を図ります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶と⑸です。写真は確認できませんが、長期間使用し修理を重ねた義歯で、1か月前から下顎小臼歯部に疼痛が生じていることから、顎堤の吸収などに伴う義歯床の不適合や床縁の過長による粘膜の圧迫・潰瘍が考えられます。訪問診療の初診時には、まず疼痛の原因となる床外形を修正し、粘膜の傷害が治まるまでティッシュコンディショナーで粘膜調整を行います。リラインや新製は粘膜が回復してから検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成