4 歳の男児。前歯の変色を主訴として来院した。1 年前に室内で転倒して前歯部を打…
4 歳の男児。前歯の変色を主訴として来院した。1 年前に室内で転倒して前歯部を打撲し、上顎右側乳中切歯は完全脱落したが、そのままにしていたという。2 歳ころから親指を口に入れる癖があるという。A の動揺度は1 度である。初診時の口腔内写真(別冊No. 20A)とエックス線画像(別冊No. 20B)を別に示す。保護者への説明で適切なのはどれか。3 つ選べ。
- ⑴ 「左上の前歯は根の治療が必要です」打撲後の変色と動揺から歯髄壊死が考えられ、根の治療が必要です。
- ⑵ 「前歯に固定式の装置を入れましょう」4歳児で前歯部の欠損に固定式の装置を入れる必要性は低く、適切な説明ではありません。
- ⑶ 「指しゃぶりはやめた方が良いでしょう」4歳を過ぎた指しゃぶりは不正咬合の原因となるため、やめることを勧めます。
- ⑷ 「すぐ永久歯が生えてくるので心配いりません」永久中切歯の萌出は6〜7歳ころで、すぐに生えるわけではなく、問題も残り得ます。
- ⑸ 「永久歯の前歯には変色がみられるかもしれません」外傷の影響で後継永久歯にエナメル質形成不全や変色が生じる可能性があります。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑶と⑸です。写真は確認できませんが、1年前の打撲後に左上の乳中切歯が変色し、動揺もあることから、歯髄壊死と根尖性歯周炎が考えられ、感染根管治療が必要です。また親指しゃぶりは4歳を過ぎて続くと開咬や上顎前突の原因となるため、やめるよう指導します。さらに乳歯の外傷や根尖病変は後継永久歯の歯胚に影響し、エナメル質形成不全や変色(Turner歯)を生じることがあると説明します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成