75 歳の男性。上顎義歯の不安定による咀嚼困難を主訴として来院した。診断の結果、…
75 歳の男性。上顎義歯の不安定による咀嚼困難を主訴として来院した。診断の結果、上顎左側前歯部の前処置後、オーバーデンチャーを製作することとした。完成した根面板の写真(別冊No. 23A)、根面板装着後の口腔内写真(別冊No. 23B)及び義歯床に埋め込む予定の装置の写真(別冊No. 23C)を別に示す。この装置の効果はどれか。3 つ選べ。
- ⑴ 一次固定一次固定は複数の歯を連結固定することで、この装置にはその効果はありません。
- ⑵ 着脱方向の規制磁性アタッチメントは着脱方向を規制する機構をもちません。
- ⑶ 歯根膜の感覚受容歯根を保存するため、歯根膜による咬合の感覚受容が維持されます。
- ⑷ 咬合力に対する抵抗根面板が咬合力を受け止め、義歯の沈下に抵抗します。
- ⑸ 離脱力に対する抵抗磁石の吸引力により、義歯の離脱に抵抗する維持力が得られます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶と⑷と⑸です。写真は確認できませんが、根面板にキーパーを付け、義歯床に磁石構造体を埋め込む磁性アタッチメントを用いたオーバーデンチャーと考えられます。歯根を保存することで歯根膜の感覚受容が維持され、根面板が咬合力を受け止めて義歯の沈下に抵抗し、磁石の吸引力が義歯の離脱に抵抗する維持力を発揮します。磁性アタッチメントは側方力を逃がしやすく、着脱方向の規制や歯の一次固定の効果はありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成