74 歳の女性。上顎右側臼歯部の義歯紛失による咀嚼困難を主訴として来院した。診察…
74 歳の女性。上顎右側臼歯部の義歯紛失による咀嚼困難を主訴として来院した。診察の結果、残存歯の歯周組織に問題を認めないことからレジン床による上顎部分床義歯を製作することとした。下顎残存歯列は左右第二大臼歯まで認められた。初診時の口腔内写真(別冊No. 30)を別に示す。義歯の設計で考慮すべきなのはどれか。3 つ選べ。
- ⑴ 把持作用の活用鉤腕や隣接面板の把持作用で義歯の水平的な動揺に抵抗させ、安定を高めます。
- ⑵ 粘膜負担型の形態残存歯の歯周組織が良好なため、粘膜負担型ではなくレストを活用した歯根膜負担を取り入れた設計とします。
- ⑶ 義歯着脱方向の規制ガイドプレーンなどで着脱方向を一定に規制し、維持と安定を確保します。
- ⑷ 歯軸方向への機能力の伝達レストにより咬合力を支台歯の歯軸方向に伝え、歯周組織への為害作用を防ぎます。
- ⑸ 義歯床口蓋部へのビーディング付与ビーディングは金属製の口蓋の大連結子の辺縁を粘膜に密着させるために付与するもので、レジン床には用いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴、⑶、⑷です。写真は提示されていませんが、残存歯の歯周組織が良好で、対合の下顎歯列が第二大臼歯まで揃い強い咬合力が加わるため、部分床義歯はできるだけ歯根膜負担を活用した設計とします。レストを設けて機能力を歯軸方向に伝達し、鉤腕や隣接面板による把持作用で側方力に抵抗させ、ガイドプレーンなどで着脱方向を規制して維持と安定を高めます。粘膜負担型は残存歯の条件がよい本例では適さず、ビーディングは金属の大連結子に付与するもので、レジン床には用いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-02.html)を加工して作成