55 歳の女性。上顎右側第一大臼歯のクラウン破折を主訴として来院した。診察の結果…
55 歳の女性。上顎右側第一大臼歯のクラウン破折を主訴として来院した。診察の結果、ジルコニアを用いたクラウンを再製作することとした。CAD によるクラウンのデザイン時の画像(別冊No. 27A)、試適時の口腔内写真(別冊No. 27B)及び装着時の口腔内写真(別冊No. 27C)を別に示す。このクラウンの特徴はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 前歯にも適用できる。高透光性ジルコニアなどの普及により、ジルコニアクラウンは前歯部にも適用できます。
- ⑵ レイヤリング法で製作される。モノリシックジルコニアはCAD/CAMで一体として削り出して製作し、レイヤリング法は用いません。
- ⑶ 接着にシラン処理が有効である。ジルコニアはシリカを含まないためシラン処理は有効でなく、MDPを含むプライマーを用います。
- ⑷ 陶材焼付冠と同等の咬合面クリアランス量を要する。モノリシックジルコニアは強度が高いため、陶材焼付冠より少ない咬合面クリアランスで製作できます。
- ⑸ コンポジットレジンクラウンと比較して対合歯の摩耗を生じやすい。ジルコニアは硬いため、コンポジットレジンクラウンと比べ対合歯を摩耗させやすいとされます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑸です。写真は確認できませんが、CADで設計し切削加工するフルジルコニア(モノリシック)クラウンと考えられます。高い強度をもち、透光性を高めたジルコニアは前歯にも適用できます。一方、硬く研磨が不十分だと対合歯を摩耗させやすいため、コンポジットレジンクラウンより対合歯の摩耗に注意が必要です。シリカを含まないためシラン処理は無効で、リン酸エステル系モノマー(MDP)を用います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成