55 歳の男性。開口障害を主訴として来院した。7 日前にかかりつけ歯科医で下顎右…
55 歳の男性。開口障害を主訴として来院した。7 日前にかかりつけ歯科医で下顎右側智歯を抜去し、アモキシシリン水和物とロキソプロフェンナトリウム水和物を3 日間服用したが自発痛が続き、徐々に口が開かなくなったという。体温は38.0℃だが、顔面はほぼ対称である。初診時のエックス線画像(別冊No. 25A)とCT(別冊No. 25B、C、D)を別に示す。膿瘍の部位はどれか。1 つ選べ。
- ⑴ 顎下隙顎下隙の膿瘍では顎下部の腫脹が外から明らかで、顔面の非対称がみられやすいです。
- ⑵ 舌下隙舌下隙の膿瘍では口底の腫脹や舌の挙上が主にみられ、強い開口障害は典型的ではありません。
- ⑶ 咽頭側隙咽頭側隙の膿瘍は深部にあり顔貌の変化が乏しく、強い開口障害を生じます。
- ⑷ 咬筋下隙咬筋下隙の膿瘍では下顎角部の腫脹が目立ち、顔面の非対称がみられやすいです。
- ⑸ 翼突下顎隙翼突下顎隙も開口障害を生じますが、画像から膿瘍は咽頭側隙にあると考えられます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。画像は確認できませんが、下顎智歯抜去後に発熱と強い開口障害が生じ、顔面がほぼ対称であることから、外から腫脹が目立ちにくい深部の隙への膿瘍形成が考えられます。咽頭側隙は内側翼突筋の内側で咽頭の側方に位置し、ここに炎症が及ぶと開口障害や嚥下痛を生じ、進展すると縦隔炎や気道狭窄の危険があります。顎下隙や咬筋下隙では顔面の腫脹が目立ちやすいとされています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-02.html)を加工して作成